昨日、未明に・・・

昨晩、近所のコンビニに買い物に行った帰りの事です。
ちょうどコンビニからの帰り道に公園がありまして、あの団地の下によくあるような小さな公園です。それで夜中ですから誰もおりません。
ということで『これはいける。』と判断した僕は公園の複合型滑り台(ジャングルジムも一緒になっているやつ)で滑っては下の砂場にでん部着地して遊んでおりました。
何度目か滑って、さらに滑ろうと滑り台を逆走して滑り台の踊り場に辿り着いた時の事、さっきまでは暗かったのと、滑るのに夢中だったので気づかなかったんですが、踊り場の端っこに財布が置いてあるではないですか!
周りを見ても誰一人おらず、『どないしょうか?』と思いつつ、中身を見てみますと、折りたたみの黒光りする安そうな財布に現金21,000円と美容院やカラオケやゲームショップの会員証なんかが入ってまして、キャッシュカードやクレジットカードなんかは入ってなかったんで、これはもう男子中高生のモノだなあと。
しかし、男子中高生の財布に21,000円!というのは入り過ぎやろうと。ゴールデンウィークとはいえ入り過ぎやろうと。これだけの金を無くしたら相当応えるやろうと思いを巡らせ、とにかく財布の中のゲーム店の会員証に書いてあった持ち主の自宅の電話番号に電話しました。まあまあ夜中12時過ぎやったんで、少し躊躇しましたが、落とし主はそれどころじゃないだろうという話ですから。
で、電話したんですが全然電話に出ません。ひょっとして家族みんなで探しに出てるのかなあなどと思いを巡らせているとやっと電話に出ました。出たのはどうやら落とし主の男子です。僕が拾った経緯を話そうと思ったら、男子はすぐさま父親に代わりますとだけ伝え、父親にとって代わられてしまいました。で父親に一通り拾った経緯を伝え、さっき僕が買い物したセブンイレブンに向こうが車で来てくれる事にあいなりました。
セブンイレブンで待つこと10分。黒塗りのクラウンが入ってきました。しかし、あの車用の白線をまたぐ形で横付け!もう財布だけ受け取ってすぐ帰る気満々やがな!それは思ってても読み取られたらアカンやろう!でシャツ姿のオッサンが降りて参りました。
オッサン:『どうもどうもありがとうございます。』
僕:「いえいえこちらこそ。」
僕、財布手渡す。
オッサン財布を受け取る。
オッサン:『息子はもうすぐ来るんで。』
僕:???
そしてオッサンは車にもたれてタバコを吸い始めました。僕はポカンですよ!ダブルで。何で息子は同乗して来てないんやと!ほいで別に拾い主としていい気になってるわけじゃないですが、普通どこで拾いましたか?とか話するでしょう。話を。それがもう早く息子来て、礼を言わして帰りたいオーラ満載です。
ああ、それともう一つ、僕は待たされてるわけですから、その辺の配慮があってもいいんじゃないかなあと。僕なら拾い主の人にコーヒーぐらい買いますよ。いや僕が拾い主やからというやらしい考えではなくて、感謝の気持ちをね、モノじゃないですがせめて表現しますよ。さすがにこれはマズイやろうと感じながらも感じ過ぎなのかと頭の中で思案してました。
そしてオッサンに遅れる事5分。息子が到着しました。息子がね。自転車で到着しました。3人で、3人連れで。髪の毛おっ立てて、太すぎるズボンを履いた3人が、2台の自転車に分乗して。ああこれはどれが財布を落とした息子なのかを僕に当てさせるエンターテイメントを用意してくれたんやなと。どうせ普通に受け取りに来ても面白くないですから。これは嬉しいなあと思ってたら、息子団の一人が自転車を降りツカツカと僕の前にやってきます。そして
『すんません。ありがとうございます。』
と目を逸らし気味にそれはそれはさらっと言われました。あれは友達なわけね。それより何より、もうどうなんやと、それでオーケーなんかとオッサンの方を見ましたがオッサンは別に何ともない感じで、もう車のドアノブに手がかかってます。で、息子も帰ろうとしてたので、ちょっと待てと、財布の中身をまず確認せえと確認を即しました。するとチョロチョロッと見て、大丈夫やと答えました。そして息子団と合流してまた自転車にまたがり発進しようとしました。
ちょっと待てと。オッサンよ、なんぼ黄金週間とはいえ、財布を落としたりしてね、いうたら不祥事を起こしているにも関わらず、また息子が連れと遊びに行こうとしてるのに、お咎めなしかよ!何も言わんのか!もう家でコンコンと言ったのか?だとしたら車で一緒に来るやろう!連れなんかとは間違っても来ないやろう!
僕はもう一人、ウエー!!っとなってしまいましたよ。セブンイレブンの駐車場でね、『プラトーン』のポーズで天を仰ぎ見るばかりでしたよ。こんなことを感じてしまう僕はおかしいんでしょうか?感謝の気持ちを期待しすぎるのは良くないとは思うんですがねえ。もう良かれと思って届けたのに、何ともいやはや・・・