俺の周りはピエロばかり

kannbenn2004-06-24


深夜、大通りから一歩路地に入る。
はい!真っ暗。
見知らぬ街の、見知らぬ道を歩く。
人影まばらで、はい寂しい。
と、誰もいなかったはずの僕の眼前に人影が飛び込む。
参ったなあと思いつつ、気配を消して横を通り過ぎようとする。
怖いからあまり見ないようにしながら、横目で見る。
全くポロシャツ。
全くスラックス。
普通のおっさん。
『ちょっとお兄さん。』
呼び止められた。
平静を装いながら振り返る。
脳みその片隅では「振り返ってはいけない。」と思いつつ。
シェーン!カムバック!
そう昔から、カッコいい男は後ろを振り返らないものだと決まっている。
僕は振り返ってしまう。
マジ顔のおっさん。
ゆっくり近付いて来る。
ぼく、普通っぽく「何ですか?」
『あのねお兄さん。。。好きでしょう?』
いくぞー!!ポン・ビキ・ダアー!!!
しかも、声が1オクターブ高い。そして片言。
本人じゃない感じだ。
『お店はすぐ後ろのあの店・・・』
さらっと説明を始めるおっさん。
どうやら、『健康』と一般にいわれるお店らしい。
ぼく「いやあお金ないんで。。。」苦笑い。
『そんなあ!じゃあホントは30分8000円だけど、お兄さんだけ5000円にするよ!』
出たあーー!プライス!!デストローーーイ!!!
「いや、ほんとにお金ないんで。。。勘弁してください。」
『実はね、お兄さん、すごいかわいい21歳の女の子相手するよ!』
絶対、可愛い子なんか出て来ない。
おっさん腕を引っ張る。
魔界の入り口へ僕を引っ張る。
ぼく、中畑清みたいな渋い表情。
気づけば、おっさんとぼく、顔と顔の距離、イタリア人の距離。
もう持ちこたえられない。マウンドを降りたい。
「リリーフカー!来い!!」
と願っても、セットアッパーもストッパーもいない。
来るはずない。
僕の前に道はない。ある!
僕の後ろに道は出来る。出来ない!
嗚呼!!
結論、逃走。
『あっ!ちょっとお兄さん、ひどいよ!後悔するよ!白状者。』
ぼくは正直者。
ホンマに無駄な金無い。
追加して昼間の照りつける太陽で、臭い。
総合的に考えて不可能。
しかし、やたらめったらと声を掛けられる。
昨日は45分、3000円のキャバクラに誘われた。
何でもポンビキの兄ちゃんがホンマは4000円の所、1000円自腹を切るという。
この21世紀を迎えた現代日本に、3000円のキャバクラなんかあるはずない。
ありえない。
御伽噺だ。
それはオイルショックの頃の話だ。
・・・ルショックの頃の話だ。
・・・クの頃の話だ。
・・・なしだ。
梨田。

追伸。
渋谷八方逃走中のため。
東京東側からあまり動けなくなった。