あっ!危ないですよ!危ない!!

kannbenn2004-06-25


昨晩、寝床を探して23時。
喧騒渦巻く繁華街を抜け、少し静かな暗い道。
ビジネスホテル・カプセルホテルが居並ぶ通りを散策。
向こうの方から白髪交じりの警察官がやって来る。
「巡回してるんだ。結構、結構。」
なんて思っていると、警察官、何の迷いもなく、ぼくの方へと一直線。
「まさか!?」
不安的中。
『お兄さん。どこから来たの?』
「いやあ、大阪から…」
『何しに来たの?』
「いやまあ観光メインで…」
これが世に言う『職務質問』かと思いつつ、人畜無害な異邦人を必死に装うぼく。
『ああそう、観光。あのね、この辺物騒だからさあ。』
「はあ…。」
『もしかしたらお兄さん家出かも知れない。』
「はあ?」
『ということで近くに交番あるから、そこに来てよ。』
「はうあ!!」
逆らうと怪しまれると思い、すごすごと付いていく事に。
道中。
『お兄さん、危ない物持ってないよね?』
危ない物!
その言葉を聞いた途端、全脳味噌の力を結集して、危ない物がなかったかナップザックの中身を思い出します。
一刹那…。
大丈夫。
『カッターナイフとか持ってないよね?』
「いやもうそんなのは持ってないですから。はい。神に誓って!」
出川さん状態。
で、国家権力の前にぼくは、めでたく交番へと連行されます。
中に入るように即されるぼく。
ホントに小さな街角の交番。
しかし、中には何と警察官がひしめき合うように4人もおります。
しかも、何やら物々しい雰囲気。
一人は電話口で何やら怒鳴っています。
既に死後硬直が始まってしまったかのように固まりっぱなしパワーボムです。
すると、先程の警官。
『持ってる物全部机の上に出して!』
「はい?」
声が上ずります。
「分かりました。」
渋々と背中からナップを下ろし、床に置いて開けようとした所。
『机の上で開けろ!』
「はい!すいません!」
やばいなあー。下で開けると何か出てくると思われるよなあ。
今のはマイナスポイントやったあ。
自責の念にかられます。
取り返す意味でも協力的な姿勢で中身をポンポン机の上に並べていきます。
『これは?』
「携帯の充電器です。」
『これは?』
「服が入ってる袋です。」
『中身確認してもいい?』
「でうぞ!でうぞ!」
何てやりとりを5分ぐらいやってました所、とんでもない物が入ってる事に気づきました。
エロ本デス。
しかも無修正ではないのですが、モザイクが薄いというか、曖昧というか…内容もちょいとアブノーマルというか。
とか何とか考えていると、
『それ何?』
「本です。」
『何の本?』
「マクマホン!」
というのは冗談で。
「雑誌です。」
『雑誌?』
「雑誌。」
命賭けても雑誌。
ふと一瞬、ピート・タウンゼントの顔が頭をよぎります。
『ちょっと貸して。』
「えあ、はい。」
ぼくの顔きっとトリッキーな感じだったと思います。
虚を突かれた感じ。
毒霧吹く前のグレート・ムタみたいな。
ホンマ『地獄へお連れいたしましょう。』的窮地。
雑誌を手に取る警察官。
見つめるぼく。
表、裏と確認する警官。
ぼくの脳内コロシアム。
「ひーらくな!ひーらくな!…」
開くなコールの大合唱です。
いつなんどき誰の挑戦でも受ける!なんて死んでも言えないなあと感じました。
ラクルズ ハップン!
警官、雑誌を机に置きました。
フォール勝ちです。
大団円の脳内リング上。
良かった良かったとホッとしたのも束の間。
『何か証明書ある?身元分かるもの?大阪から来たんでしょ?』
「運転免許とかですか?」
『そうそう出して。』
財布から免許差し出すぼく。
免許を見つめる警察官。
『あれ?本籍香川じゃない?大阪じゃないじゃない?どういうこと?』
いくぞー!1・2・3・ダアー!
「いやあの、その通ってた大学が大阪にありまして、そのそこから来たみたいな。大阪経由、東京行きみたいな…」

『やっぱり家出じゃないの?』
呼応して、別の警官
『やっぱりそうなの?』
さらに別の警官
『最近、多いんだよね。』
完全に怪しまれてます。
『家出人捜索願い出てないか調べるからね。』
いやもうそんなん出てないですよ。
出てるはずない。
出てるはずないけど、何かしら不安。怖い。
まあまあ結局出てなかったんやけどね。
約10分取り調べられて、やっと解放。
シャバの空気が美味かった。
去り際。
『この辺危ないから、気を付けてね。じゃあ。』
国家権力の前に丸腰、丸裸のぼく。
ちょっとやり過ぎやで!しかし!
と腹を立てながら、マンガ喫茶へ。
道中、やたら警察官が街角に立っているのを目撃。
見ただけで背筋ピーン!
卒業式の入場状態の歩行でマンガ喫茶になだれ込みます。
そして、備え付けのテレビをつけたら、
田園調布。
セントルイス
田口そう。