大王去って。

さて本日は淀の3000mで覇を競う菊花賞。顔ぶれは昨今の流れよろしくで長距離レースには合わないと踏んだダービー馬と皐月賞馬を欠いた三冠最終戦となってしまった。
中心は寝ても覚めてもコスモバルク。注目はこの馬がどんな競馬をするのか?強烈に強さを誇示した昨年暮れのたんぱ杯、3月の弥生賞、そして前走のセントライト記念。共通するのは、先行し、直線抜け出し、誰にも抜かせない。逃げに近い先行から抜け出し、他馬に抜かれそうになってまた伸びる末脚。もちろんこれはこの馬の能力の高さを証明しているが、僕はこの馬の強靭な負けん気根性の賜と思っている。騎手も関係者も手を焼く気性の荒さはこの馬の強さの秘密を物語っている気がする。
差し届かなかった皐月賞、作戦に迷いが生じ自滅したダービー。今回こそ三度目の正直。スタミナに難があると言われるこの馬だが、僕はだからといって前に馬を置いて折り合うという優等生のレースは似合わないと思う。スタートから自分の競馬に持ち込んで欲しい。作戦はひとつ。圧倒的なスピードで逃亡を果たし、快哉を叫べ。大王に、ニッポンに。2200mをスピードでグイグイ走り、残り800mは根性で駆け抜ければ良い。その時、ターフに新たな英雄が降臨する。悔い無きラストを。